DPT(三種混合)・DT(二種混合)ワクチンはどんな病気を予防するの?

●D・ジフテリア(Diphtheria) ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。感染すると、高熱、のどの痛み、犬がほえるような咳、激しい嘔吐などが起こります。咽頭部の腫脹によって窒息死することもあります。また、発病から2〜3週間後には菌の出す毒素により心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。 しかし、感染しても10%の人にしかこれらの症状が現れず、残りの人は症状が出ない不顕性感染のため、保菌者である自覚がないまま、菌だけをまき散らすこともあります。

●P・百日せき(Pertussis) 百日せき菌の飛沫感染でおこります。普通のカゼのような症状で始まり、咳がひどくなり、連続的に咳き込むようになります。咳の後、急に息を吸い込むので、笛を吹くような音(レプリーゼ)が出るのが特徴で、高熱は出ません。乳幼児の場合は、咳で呼吸困難になることが多く、チアノーゼ(血中の酸素が欠乏して皮膚が青黒くなる症状)や、けいれんが起こることがあります。また、肺炎や脳炎などの重い症状を併発することがあります。 この病気は成人でもかかることがあります。子どもと症状が違い、咳が主症状で1〜2ヶ月続きます。咳だけでも菌をまき散らし、子どもにうつすことが時々ありますので、長期に咳がとまらない時には、医師の検査を受けましょう。

●T・破傷風(Tetanus) 土の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から感染して起こります。自分でも気づかない程度の軽い傷が感染の原因になることもあります。菌のだす毒素のため、けいれんや口が開かないなどの症状が起こり、その後の処置が遅れると生命にかかわります。破傷風菌は日本中どこにでもいますが、予防接種で免疫をつくっておけば安心です。

接種を受ける時期と間隔は?

<DPT>T期・・・初回接種
●対象者年齢
生後3〜90ヶ月未満(標準接種年齢:3〜12ヶ月未満)
●回数
3〜8週間間隔で3回の皮下注射(0.5cc/回)

<DPT>T期・・・追加接種
●対象者年齢
生後3〜90ヶ月未満(標準:初回接種終了後1〜1年半の間)
●回数
1回の皮下注射(0.5cc/回)

<DT>U期
●対象者年齢
11歳、12歳(標準接種年齢:11歳)
●回数
1回の皮下注射(0.1cc/回) ※DT(2種混合)ワクチンを用いる。
※他の予防接種までは1週間(6日以上)あけてください。

DPT・DTワクチンの副反応は?

●副反応の少ないワクチンです。
●注射部位が赤くなる、腫れる、しこりができることがありますが、免疫がつくられたために起こる現象です。しこりは放置しておけば通常状態にもどります。
●過敏なお子さんの場合、上腕全体が腫れることがありますが、湿布などで、軽快します。
●機嫌が悪くなったり、晴れが目立つということなどにはかかりつけの医師にご相談下さい。